才色兼備で高嶺の花の彼女を溺愛したいんだ

隣のクラスと合同と言っていたからこの教室にいるのかな?


愛菜と坂下さんは一年の時に同じ特進クラスで一緒にいたから近くにはいると思うんだけど、鍵ないと愛菜も困るしな。


「坂下さん」


僕は少し抑えた声で呼んだ。



坂下さんは気づいてくれて教室の入口まで来た。


「何?」


「愛菜は?」



教室をキョロキョロしていた。



「ちょっと待って、うちのクラス見てくる」


そう言うと隣のクラスに入って行った。



廊下で待っていると坂下さんと後ろに愛菜がいた。



「ありがとう」と坂下さんにお礼を言うと凛華はさっきの場所に戻った。




「ごめん、忙しいのに」


「なあに?」



僕は愛菜に自転車の鍵を渡した。


愛菜の目が大きく開いた。



「どこにあったの?」


愛菜は受け取った。



「さっき部室の鍵を返しに行ったら落し物の箱に入ってた」



「ありがとう」



「じゃあ、帰るね、準備頑張って」



「うん」



愛菜は自分の教室に入っていった。



鍵をリュックに入れていると同じクラスの子に聞かれた。



「愛菜、告白?」


「違うよ、落し物を届けてくれたの」



「なーんだ、文化祭近いからこれからカップル増えるかもね〜ってさっき話してたからさ、愛菜早速?って思った〜(笑)」



言ったその子は他の子の所にいくと違うって〜と話すのが聞こえた。


「愛菜」


「凛華、何?」



「相馬くんが彼氏って話してないの?」


愛菜は頷いた。



「あの子と一緒にいるわけじゃないし……」


< 62 / 274 >

この作品をシェア

pagetop