アラフィフママを溺愛するのは植物男子でした
「と、とにかく。不用意に触ってしまったのは、ごめんなさい」
「俺は、結衣子さんのために生まれた植物なので。結衣子さんの好きにしていいですよ」

 ああああああああああーーーー!!
 夫に似た顔で、声で微笑むのは反則だ。
 私は、耐えられずに両手で顔を覆った。
 私のために生まれた(・・・・・・・・・)って、だから夫に似てるの!?

 でも、似てはいるけど、瓜二つってわけではないのよね。
 微妙にほくろの位置が違ったりとか。
 それはどうしてだろう? と、彼に訊ねてみた。

「それは多分……。もう一人ご主人がいたからだと思います」
「もう一人、ご主人? あ、ああーー!!」

 そうだ、彼は郡山くんとの「共同プロジェクト」のものだった!
 私一人で名前をつけるのは、郡山くんに失礼かな……?

 でも……。

『こんなの咲いたよ!』って、彼を郡山くんに見せられる……!?
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