泣きっ面に恋々!─泣き虫な身代わり花嫁と、泣き顔フェチな純真王子の恋々な結婚事情─
ユア王女の人生で、誰かと目が合うのはこれが最後となった。
「や、やめてお願いここから出して!」
「お前、やめてって言われてやめたことある?」
「ごめんなさい、私、謝るから待って!!」
「お前のやったことが、謝るで済むと思ってるところがもう、
お前人間じゃないよ」
ジオはステラ抱いて一歩踏み出した。もう引き返さない。
取り残された護衛たちは数時間後には解放された。
だが、ユア王女だけは
永遠に見つからなかった。