星愛空~届かなかった手紙~

たどりついたところはー…。

“もしもし…大地兄ちゃん?
………………今、お店の前にいるんだけど…”

ーーーーホストクラブーーー
“今、抜け出せそうだから行く!”
“うん、ありがと…。”


しばらくして大地兄ちゃんが店から出てきた。

「どした?あ、スーツ姿恥ずかしいから
はやくしろよな!!!!」

「ねぇ大地兄ちゃんーー?」

止められない…。

「あのさぁ…」

誰か私の口を止めてー…。

「HIVってどんな病気か知ってる?」

何かが、崩れおちるようにー…。

「私ねー…。」

止まって!!止まってよ!!!!

「H...IVにかかっちやったんだ…。」

気がつけば私の目から大量の涙が流れていた。

この涙に意味があるのなら…。
私は…これからどうして生きればいいんだろう

「HIVって…嘘つくならもっと有名な病気に
したら?あ、癌とかー…肺炎とかー…」

「嘘じゃないよ…。多分。
………………嘘っていうなら…嘘にしてよ。」

自分でわかってた…。
嘘なんかじゃない。

現実逃避はしたくなかった…。

これが、現実だからーー…。
これが現実って…わかってたから。

< 41 / 418 >

この作品をシェア

pagetop