18婚~ヤンデレな旦那さまに溺愛されています~

18、耐える日々


 ほんのいたずら心だった。

 どうせ、彼女のテストが終わるまでは何もできない。

 しかし、少し驚かせてやる程度なら大丈夫だろうと思った。

 彼女の困った顔が見たかったという単純な思いだ。


 しかし――。


「遥さん、わたし……へ、んに……なる……!」

 いろはは予想以上の反応を見せた。

 彼女の表情が困惑から恍惚に変わったとき、彼自身の中で抑えきれない衝動が沸き起こり、もう少しで手を出してしまうところだった。

 なんとかこの衝動を落ち着かせようとして、彼女から離れて何度か軽く深呼吸をした。

 しかし、それを誤解されてしまったようだ。


「私は何か遥さんが困るようなことをしたの? ねえ、教えて。どうしてそんなに不安な顔するの?」

 腕をつかまれて必死の形相で訊かれた。


「不安じゃないよ。ただ、ちょっと今は困る」

 今、そんなふうにすがりつかれたら、何をするかわからない。

 すでに手が出そうになるのを必死に抑えているというのに。


「テストが終わったら教えてあげる」

 とりあえず、部屋を出ようと思った。

 今はとにかく彼女と離れなければならないので、適当にそう言ってやり過ごそうとした、のだが――。


「テストが終わったら絶対に教えてね!」

 まさかの念押しされた。


 無自覚、ピュア……そんな可愛いものではなく、小悪魔だ。



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