18婚~ヤンデレな旦那さまに溺愛されています~
< 絢 >

 たまたま歩いていたら怪我した女がいて、助けてやったら少々面倒なことになった件。


 遥を探していたのに、なぜこんな女を拾ってしまったのだろう。

 しかも、堂々と居座っている。


 女にモテるんじゃないかと訊ねてきたので、正直に話してやったら彼女は驚いて黙り込んだ。

 それでいい。

 さっさとそのコーヒーを飲んで出ていってくれ。


 絢は口もとに笑みを浮かべながら、自分のコーヒーを飲もうとした。


「あの、質問してもいいですか?」

「何?」

 絢は短く訊いて、コーヒーをひと口含んだ。


「どうやって〇▽♡をしてるんですか?」

「ぶはっ……!」

 絢はコーヒーを吹いた。

 白衣にはかからなかったので、床にこぼしたコーヒーをティッシュでささっと拭いた。


「あ、ごめんなさい。素朴な疑問で……」

「何が知りたいわけ?」

 絢は半眼で彼女を睨みつける。


「いや、あたしBL小説とかよく読むんですけど、リアルな人は初めて会ったので……あ、やっぱり後……」

「ちょっと、黙ってくれる?」


 絢が制止すると、彼女は「すみません」と言ってコーヒーを飲んだ。

 拾った女はとんでもないヤツだった、と絢は後悔した。



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