18婚~ヤンデレな旦那さまに溺愛されています~

「今どこにいるの? 私、用事終わったからそっちに行くよ」

 そう言うと、意外な返答があった。


『ああ、大丈夫。いろはの姿が見える』


 どきりとした。

 急いで周囲を見わたすと、廊下を行き交う生徒たちの姿が目に入る。

 仮装大会が開かれていて、個性的な格好をした人たちもいる。

 しばらくすると、賑やかな生徒たちのあいだから遥さんの姿が見えた。


「あ……えっと、私がそっちに」

 保健室に来られると困る!!


 急いで走っていこうとしたら、彼のほうが早かった。

 胸もとになぜか【25】という札をつけているのが気になったけど、今はそれどころじゃない。


「ちょうどいい。俺もここに用事があったから」

「え? だって遥さん……」

 不安げに見上げると、彼は穏やかに笑って言った。


「大丈夫。いろはが嫌な気分になることはしないよ」


 彼は保健室の扉を開けた。

 すると、そこにいたのは小春と先生だけではなかった。


 伊吹くんと、あとひとり。

 前にどこかで見たことのあるような顔だった。


 全員が、一斉にこちらを向いて、黙る。

 その中で、妙な沈黙を破ったのは、長門先生の声だった。


「おや? 全員集合か」


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