お巡りさんな彼と、その弟は、彼女を(密かに)溺愛する
「また勇運くんが、お巡りさんと重なった……」


大人のお巡りさんが、学校にいるわけないのに。だけど勇運くんを見ると、なぜかココにいるような気がして。

想像すると、内側からポカポカ温かくなってきた。


「……暑いっ」


真冬だというのに、顔は赤くなるばかり。

ハンカチで顔の汗を押さえながら、顔を手でパタパタ扇ぐ。


「だ、大丈夫? 三石さん……」

「えと、あはは……」


私が昨日「風邪で欠席した」と思ったらしい、隣の席の、女の子。

私の横顔をチラチラ見た後、心配してくれたのか――のど飴を一つ、私の机にソッと置いてくれた。
< 41 / 398 >

この作品をシェア

pagetop