新そよ風に乗って ⑦ 〜Saudade〜
私の事で、 忙しい高橋さんの時間を削って欲しくなかったけれど、 そうだったんだ。 税務署の帰りに寄ってくれたんだ。
今日なんて、 もうとんでもなく忙しいはずなのに。
寸暇を惜しんでフル回転で飛び回っている高橋さんが、 病院にわざわざ来てくれた。 それだけで、 もう胸がいっぱいになっている。
高橋さんが、 バッグの中から何かを取り出した。
「給料明細と、 何だかいろいろお知らせとか来ていたから、 一応持ってきた。 此処に置いとくな」
「ありがとうございます」
「ちゃんと食べないと、 駄目だぞ」
「えっ?」
な、 何で知っているんだろう?
あまり食欲がない事を。
でも点滴をしているから何となくお腹がいっぱいで、 それに殆ど動いていないので余計お腹が空かないのかもしれない。
「明良が言ってた」
「明良さんが?」
高橋さんが、 静かに頷いた。
何よ! 明良さんったら。 医者は守秘義務があるとか言ってるわりには、 高橋さんにそんな事どうして言うのよ。
無意識に、 ムッとしていたらしい。
そんな私の顔を見て、 高橋さんは微笑んでいた。
「悪い事は、 直ぐわかるも・ん・だ。 ああ、 そろそろ行かないと。 悪いな。 また明日にでも、 ゆっくり来るから」
「えっ……本当に大丈夫ですから。 高橋さんこそ、 忙しくて疲れていらっしゃるんですから、 休みの日ぐらいゆっくり休んで下さい。 高橋さんに今倒れられたら、 それこそ大変ですから」
あっ……。
言ってしまってから、 何だか余計な事を言ってしまったようで後悔した。
「フッ……。 お前にだけは、 言われたくないな」
そう言いながら、 高橋さんは立ち上がって椅子を端に寄せた。
「それじゃ、 お大事にな」
「ありがとうございます。 お忙しいのに、 わざわざありがとうございました」
せめて、 高橋さんが帰る時ぐらいと思って起き上がろうとしたが、 また高橋さんに制止された。
「そのままでいい。 それじゃ」
情けなかったが頷き、 無意識に点滴の針のついてない方の左手で手を振っていた。
今日なんて、 もうとんでもなく忙しいはずなのに。
寸暇を惜しんでフル回転で飛び回っている高橋さんが、 病院にわざわざ来てくれた。 それだけで、 もう胸がいっぱいになっている。
高橋さんが、 バッグの中から何かを取り出した。
「給料明細と、 何だかいろいろお知らせとか来ていたから、 一応持ってきた。 此処に置いとくな」
「ありがとうございます」
「ちゃんと食べないと、 駄目だぞ」
「えっ?」
な、 何で知っているんだろう?
あまり食欲がない事を。
でも点滴をしているから何となくお腹がいっぱいで、 それに殆ど動いていないので余計お腹が空かないのかもしれない。
「明良が言ってた」
「明良さんが?」
高橋さんが、 静かに頷いた。
何よ! 明良さんったら。 医者は守秘義務があるとか言ってるわりには、 高橋さんにそんな事どうして言うのよ。
無意識に、 ムッとしていたらしい。
そんな私の顔を見て、 高橋さんは微笑んでいた。
「悪い事は、 直ぐわかるも・ん・だ。 ああ、 そろそろ行かないと。 悪いな。 また明日にでも、 ゆっくり来るから」
「えっ……本当に大丈夫ですから。 高橋さんこそ、 忙しくて疲れていらっしゃるんですから、 休みの日ぐらいゆっくり休んで下さい。 高橋さんに今倒れられたら、 それこそ大変ですから」
あっ……。
言ってしまってから、 何だか余計な事を言ってしまったようで後悔した。
「フッ……。 お前にだけは、 言われたくないな」
そう言いながら、 高橋さんは立ち上がって椅子を端に寄せた。
「それじゃ、 お大事にな」
「ありがとうございます。 お忙しいのに、 わざわざありがとうございました」
せめて、 高橋さんが帰る時ぐらいと思って起き上がろうとしたが、 また高橋さんに制止された。
「そのままでいい。 それじゃ」
情けなかったが頷き、 無意識に点滴の針のついてない方の左手で手を振っていた。