五年の想いを抱えて

【2】

大阪は無事終了した。

あの後先輩から連絡はなくて、美波達と平和に騒がしく過ごした。

晴葵との距離も若干縮まった気がする。

東京に戻ってきた後、前よりも晴葵と一緒にいる時間が増えた。

授業の選択が同じなので移動教室も一緒。

お昼も4人で食べることもあれば2人だけで食べることもある。

「あ、玲ちゃん」

大阪の余韻が消えたころ、例の先輩と廊下で鉢合わせた。

「あ、えっと、どうも」
< 19 / 111 >

この作品をシェア

pagetop