五年の想いを抱えて
そんなこんなの間に夕方になってしまった。

日が低くなって周りが薄暗くなってきた。

イルミネーションが一望できる広場のベンチに並んで座って風景を眺める。

「ねえ、玲。後ろ向いて、目閉じて」

私は晴葵に従った。

数秒後。

首筋に細く冷たい感触があった。

自分の首元をみると月のモチーフのネックレスが光っていた。

思わず振り向くと晴葵は笑っている。

「クリスマスプレゼント」

「ありがと」
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