五年の想いを抱えて
終業式の日、周りが春休みに沸き立つ中、晴葵はしんみりした顔をしていた。

そして私はそんな様子を自分の席から眺めていた。

「ねえ、玲!春休み、どっか行かない?」

「私、3月中はちょっと忙しいから4月入ってからでもいい?」

「いいよ、どこ行く?」

「美波が決めていいよ」

「りょーかーい」

ほんとは4月には遊びに行けるような気持ちじゃないかもしれない。

晴葵を心配させないための約束だ。
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