別居恋愛 ~もう一度恋からはじめよう~

4. 別居のはじまり

 拓海に相談をしたあと、瞳は母に、拓海に許可をもらったと伝えた。母はやはり拓海のことを気にしていたが、拓海にも口添えしてもらい、最終的には瞳が実家で過ごすことを認めてもらった。そうして瞳は母とあれこれと話し合い、とうとうその日を迎えた。半年間の別居の始まりだ。

「拓海、じゃあ、行ってくるね。ちゃんと掃除してよ?」
「わかってるって。じゃ、気をつけてな」

 結局、拓海はただの一度も瞳のことを気にすることはなく、当日もあっさりと見送られてしまった。瞳だけが淋しさを抱えているらしい。今さら淋しいだなんて瞳から言えるわけもなくて、瞳は淋しさを抱えたまま実家へと戻ってきた。そして、実家へ戻った初日に、瞳の淋しさはどこかへと吹き飛んでしまった。聖と二人の実家暮らしは淋しさなんて覚える暇もないくらい大変だった。腹立たしい出来事のオンパレードだったのだ。

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