別居恋愛 ～もう一度恋からはじめよう～

3. おかえり

　拓海が指折り数えながら待ちわびたその日がとうとうやってきた。聖の受験も無事に終わり、瞳が帰ってくることになったのだ。


　今日は平日だが、拓海はどうしても家で瞳を迎えたくて、午後休を取り瞳の帰りを待っていた。きっと移動で疲れているだろうし、瞳にはゆっくりしてもらおうと今日の夕食は拓海が用意するつもりでいる。買い物は済ませてあるから、今日はもう外に出る用事もない。瞳がいつ帰ってきても出迎えられる状態だ。


　もう少しで瞳が帰ってくるのかと思うと落ち着かなくて、家の中をうろうろとしてしまう。ちゃんと無事に帰ってこれるだろうかと心配になる。今どこのいるのかと携帯に連絡したくなる気持ちをグッと堪えて拓海は瞳を待った。


　そうして家の中でしばらく待っていれば、玄関からガチャリと鍵の開く音が聞こえてきて、拓海は急いで玄関へと向かったのだった。