幽霊の依子さんは 今日も旦那様を愛す

あ。大路さんだ。


私、姫野弥生はいつもより３時間遅い電車に乗った。
朝はいつも一緒になるけれど、帰宅の電車が同じになるのは出会った時以来だった。

残業後の疲弊した私たったけれど、大路さんと一緒に帰れて嬉しい。


座席に座って船を漕ぐ大路さんの隣に座った。


気付かずに眠る大路さんの顔を見たくて、そっと覗いた。


あ！もしかして、熱がある？


大路さんの顔は真っ赤になって、呼吸も早い。
そうえば今朝体調が悪そうで咳もしてた。
左側にあたる体が熱い。
多分、熱は高いと思う。
とりあえず、駅まではこのまま寝ていただいて・・・駅についてからの行動を考えた。