幽霊の依子さんは 今日も旦那様を愛す
今日の私、姫川弥生は疲れきっていた。



大路さんとご飯の約束をしてた。
嬉しくて朝からガツガツ働いてた。
それなのに。

昼前に分かったミスの修正に1日かかってしまった上、勤務時間ないに終わらず、残業するはめになってしまった。

もちろん大路さんとの約束はキャンセル。
泣く泣く大路さんに電話をかけた。


大路さんは
「大丈夫だよ、それより頑張って。帰りが遅くなるようなら連絡して、迎えに行くから」
と言ってくれた。

駅に着いた時には23時を回っていた。
こんな遅くに迎えに来て欲しいと連絡したなら、きっと大路さんは嫌がることなくきてくれるだろつ。
大路さんに逢いたいけれど、恋人でもないのにお願いするのは図々しい。

暗い夜道を急ぎ足で家に帰る。

家に着いた私は大路に電話をかけた。

「今、帰ってきたところです」
と伝えると、
「危ないでしょ」
と怒られた。


大路さんとごはんを食べに行くようになって。 
電車以外でも会うようになって。
電話で話すようになって。


私は欲張りになっていく。


大路さんと一緒にいたい。
大路さんにこの気持ちを伝えたい。

大路さんを愛し、愛されたい。
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