幽霊の依子さんは 今日も旦那様を愛す
「俺・・・大切にしたい人ができたんだ・・・」

依子は微笑んだまま、頷いた。

「ごめんな」

「謝らないで」
依子は首を振った。

「いいの。その人と幸せになって欲しい。
その人を愛してあげて、私にしたみたいに。ううん、私以上に」

「うん、うん」

「約束ね」

「うん」

「あ、リビングの写真は片付けてね。お水もなくていいよ」

「なあ、依子。いつも一緒にいてくれたのか?」

「いたよー。姫川さんの話も聞いてたよ」

「まじか?」

「まじだ」

ふふっと笑って、
「姫川さん、いいこだと思うよ。修平のことも好きみたいだし。私の写真に向かって挨拶してくれたのよ」

「え?いつ?」

「修平が熱出してぶっ倒れた時」


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