課長のケーキは甘い包囲網

「え、え……そんな」

「明日は土曜日だ。ゆっくり行こうか。お前からキスなんて初めてだから、特別に優しくしてやるよ」

 甘いキスが振ってきて、身体をなぞる手が優しい。丁寧に愛撫されて久しぶりに頭が飛んだ。

「好き、大好き、誠司さん……」

「すみれ、素直で今日は可愛いな……」

 彼の背中に手を回し、揺すられるまま声を上げた。

「ん、ん……ああ……」

「もう限界だ、俺の方が……色々とな」

 耳元で彼が何か言っていたがもう聞こえない。お酒を久しぶりに飲んだせいもあった。

 彼は私をなぞりながらじっと見つめて何か考えていた。私は気がつかないままだった。

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