なぜか、溺愛される1日を繰り返しています。
なにもかもがどうでもよくて、まるでフィルターを通した世界を見ているようで現実味が乏しかった。
それでもミスなく仕事を終えることができたのは《今日》を何度も繰り返してきたからだろう。


「お先に失礼します」


舞は抑揚のない声で残っている看護師たちに声をかけ、更衣室で私服に着替える。
淡々とした動きを止めたのは従業員専用の出入り口から外へ出たときだった。


「長谷川さん」
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