なぜか、溺愛される1日を繰り返しています。
☆☆☆

もう、わけがわからなかった。
これ以上どうしろというんだろう。

もしかして全く別の力が働いて6月12日から出ることができなくなったんだろうか。
彩は床に寝そべったまま考える。

もうとっくにデートの約束時間は過ぎていて、さっきからスマホが鳴り続けている。
きっと知明から心配するメッセージや着信が沢山来ているはずだ。

わかっていても確認する気にはなれなかった。
デートなんて行く気力も湧いてこない。

ずっとこのまま寝転んで、いつか床と同化するようにドロドロに溶けてしまえたらいいのに。
そんな風に考えてしまう。

知明に会ったって、どうせまた喧嘩するだけだし。
彩は力なく寝返りをうってキツク目を閉じたのだった。
< 47 / 92 >

この作品をシェア

pagetop