なぜか、溺愛される1日を繰り返しています。
別に確認するつもりはなくても、つい手に持ってしまうのは普段からの癖だ。


《チカゲ:玄関開けてくれない?》


友人からのメッセージに目を丸くする。
今チャイムをしつこく鳴らしているのはチカゲみたいだ。

よりによって、どうして知明の浮気相手が……?
そう考えると嫌な予感が胸に膨らんでいく。

3回目の6月12日にして、ライバル登場というわけ?
これから直接対決することになるのかもしれない。

そう思ってゴクリと唾を飲み込んだ。
寝起きのままじゃとても戦えないと思い、一旦洗面所で顔だけは洗った。

両手で自分の頬を叩いて「しっかりしろ」と呟く。
そしてようやく玄関の鍵をあけた。

カチャッと小さく音がした瞬間、ドアノブが回ってドアが外側に開いていた。
目の前に立っているチカゲを見て彩は言葉を失う。
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