なぜか、溺愛される1日を繰り返しています。

☆☆☆

聡に会いにいくことにためらいはあるけれど、別に嫌いはわけではない。
むしろ聡のことは接しやすい医師だと思っているし、童顔なところも舞の好みだった。

けれどまさか告白されるとは思っていなかったし、聡のことをそういう目で見たことは1度もなかったからとまどいの方が強かった。
舞自身、今まで交際経験がなかったことも大きなネックになっている。

24歳で交際経験ゼロだと言うと同僚からはきっとからかわれるから黙っているので、誰にも相談できなかった。
重たい気持ちで聡のいる診察室Aのドアをノックする。

ちょうど患者さんが途切れたタイミングだったようで、すぐに中から返事が聞こえてきた。
聡の声に心臓がドクンッと跳ねる。

聡のことを意識したことは今までなかったはずなのに、告白を受けてから妙に気になりだしてしまった。
それでも、今日の5月15日はまだ告白されていない。

シャンとしなきゃ!
そう思って背筋を伸ばし、診察室Aのドアを開いた。

聡は患者さんのカルテを確認していて、舞が入っていくと顔を上げた。
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