【WEB版】追放したくせに戻ってこい? 万能薬を作れる薬師を追い出しておいて、今さら後悔されても困ります! めでたく婚約破棄され、隣国で自由を満喫しているのでお構いなく
 初めに出会った時にそうと言われたら、もしかしたらちょっとばかし敬遠したかもしれない。けれど、殿下には命を助けられたし、ベッカーだって親身になって治療してくれた。そんな経緯があってか、まったく怖さや嫌悪は感じない。

 反対に彼女たちの方はどうなんだろう? 
 思い切って聞いてみる。

「あなたたちは私が怖かったり、憎かったりするの?」

 こう尋ねると、ふたりも顔を見合わせて、難しそうな顔をした。

「正直に申しますと……何も感じていません。その、エルシア様があまりに自然でいらっしゃるせいかとも思いますが」
「私たちの世代になってから大きな戦もありませんしね。こう言ってはなんですが、拍子抜けした気分でございますわ」

 よかった、彼女たちもどうやら私と同じ気持ちらしい。
 小競り合いの絶えないという西部に住んでいたならまだしも、争いのない場所で暮らしていた私たちの認識なんてそんなものだ。
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