忘れられないよ君は―初恋だけでは終われない―
4.学校で一人
朝。
教室の扉を開ける瞬間、亜美はいつも、ほんの少しだけ息を止める。
今日も同じだった。
扉の向こうには、すでにいくつもの輪ができている。
机を寄せて話している女子たち。
スマートフォンを覗き込みながら笑う男子たち。
部活の朝練を終え、汗を拭きながら騒いでいる生徒たち。
誰かが誰かを呼ぶ声。
笑い声。
昨日の続きを話す声。
亜美が教室へ入ったことに気づいた何人かが、ちらりとこちらを見た。
ほんの一瞬。
目が合う前に、逸らされる。
亜美は気づかなかったふりをして、自分の席へ向かった。
鞄を置く。
椅子を引く。
座る。
そして、イヤホンを耳につけた。
流れてくるのは、いつもピアノ曲。
音が耳を塞ぐ。
それだけで、教室が少し遠くなる。
「…………」
亜美は窓の外を見た。
今日も暑くなりそうだった。
教室の扉を開ける瞬間、亜美はいつも、ほんの少しだけ息を止める。
今日も同じだった。
扉の向こうには、すでにいくつもの輪ができている。
机を寄せて話している女子たち。
スマートフォンを覗き込みながら笑う男子たち。
部活の朝練を終え、汗を拭きながら騒いでいる生徒たち。
誰かが誰かを呼ぶ声。
笑い声。
昨日の続きを話す声。
亜美が教室へ入ったことに気づいた何人かが、ちらりとこちらを見た。
ほんの一瞬。
目が合う前に、逸らされる。
亜美は気づかなかったふりをして、自分の席へ向かった。
鞄を置く。
椅子を引く。
座る。
そして、イヤホンを耳につけた。
流れてくるのは、いつもピアノ曲。
音が耳を塞ぐ。
それだけで、教室が少し遠くなる。
「…………」
亜美は窓の外を見た。
今日も暑くなりそうだった。