忘れられないよ君は―初恋だけでは終われない―

23.丈の慰め

 さっき。

 幸也に告白した。

 振られた。

 それなのに最後は笑って。

『また明日』

 そう言えた。

 明日はステージを見に行く。

 今まで通り、幸也のところへ行く。

 そう決めた。

「…………」

 一人になった途端、

 足が止まった。

 さっきまで、ちゃんと歩けていたのに。

 もう、

 どこへ行けばいいのかも分からない。

 家には帰りたくなかった。

 直充に顔を見られたくない。

 今は誰にも、

 何も聞かれたくない。

「…………」

 亜美はスマートフォンを取り出した。

 開いたのは、丈とのやり取り。

 何て言えばいいんだろう。

 振られた。

 苦しい。

 会ってほしい。

 浮かんだ言葉を打っては消した。

 最後に。

『先生』

 送る。

 そのまま指が動いた。

『会いたい』

「…………」

 送ってしまった。

 何を話したいのか、

 自分でも分からない。

 ただ、

 今は。

 丈に会いたかった。
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