忘れられないよ君は―初恋だけでは終われない―
その日の塾。
仕事を終えた亜美は、荷物をまとめていた。
「お疲れさまでした」
「お疲れさま」
周りの講師たちに挨拶をして、出口へ向かう。
その途中。
少し離れたところに丈がいた。
「…………」
目が合った。
「先生」
「お疲れ」
「お疲れさま」
それだけ。
丈はいつも通りだった。
冷たくもない。
怒っているようにも見えない。
だから。
亜美もそのまま帰ろうとした。
けれど、数歩進んだところで足が止まった。
「…………」
今までは。
仕事が終わったあと、少し話した。
一緒に歩いた。
幸也のことも。
大学のことも。
何でも。
相談はしない。
それは分かっている。
でも。
普通に話すくらいなら。
「先生」
振り返る。
丈もこちらを見た。
「何?」
「あの……」
何を言いたかったのか、自分でも分からなくなる。
「今日、もう帰る?」
「帰るけど」
「そっか」
「うん」
「…………」
会話が終わる。
なのに。
亜美は動けなかった。
「亜美?」
「……何でもない」
「そっか」
丈が荷物を持つ。
そのまま出口へ向かう。
亜美も隣に並んだ。
仕事を終えた亜美は、荷物をまとめていた。
「お疲れさまでした」
「お疲れさま」
周りの講師たちに挨拶をして、出口へ向かう。
その途中。
少し離れたところに丈がいた。
「…………」
目が合った。
「先生」
「お疲れ」
「お疲れさま」
それだけ。
丈はいつも通りだった。
冷たくもない。
怒っているようにも見えない。
だから。
亜美もそのまま帰ろうとした。
けれど、数歩進んだところで足が止まった。
「…………」
今までは。
仕事が終わったあと、少し話した。
一緒に歩いた。
幸也のことも。
大学のことも。
何でも。
相談はしない。
それは分かっている。
でも。
普通に話すくらいなら。
「先生」
振り返る。
丈もこちらを見た。
「何?」
「あの……」
何を言いたかったのか、自分でも分からなくなる。
「今日、もう帰る?」
「帰るけど」
「そっか」
「うん」
「…………」
会話が終わる。
なのに。
亜美は動けなかった。
「亜美?」
「……何でもない」
「そっか」
丈が荷物を持つ。
そのまま出口へ向かう。
亜美も隣に並んだ。