忘れられないよ君は―初恋だけでは終われない―
 高校生の自分。

 幸也を好きになった自分。

 知らないことばかりで。

 丈に何度も聞いた自分。

 大学生になって。

 群司とのことを話した自分。

 幸也とのことで不安になった自分。

 思い出すたび。

 そこに。

 丈がいた。

「…………」

 こんなことも知らないのかと。

 笑われたことはなかった。

 何度迷っても。

 何度聞いても。

 丈は。

 いつも同じように話を聞いた。

 画面を上へ滑らせる。

 昔の自分の言葉が。

 次々と現れる。

「…………」

 こんなことまで。

 話していた。

 そんなことまで。

 聞いていた。

 幸也を好きなことも。

 自分が何も知らなかった頃のことも。

 誰にも聞けなかったことも。

 言葉にできなかったことも。

 丈は。

 全部知っている。
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