忘れられないよ君は―初恋だけでは終われない―
6.屋上に二人
次の日。
亜美はいつもより少し早く学校に着いた。
まだ人の少ない廊下を歩く。
足音だけが、静かな校舎に響いていた。
昨日、水浸しになったロッカーの前で足が止まる。
「…………」
怖い。
ほんの少しだけ、扉を開ける。
何もない。
昨日乾かしてから戻したものが、そのまま入っている。
亜美は小さく息を吐いた。
大丈夫。
今日は大丈夫。
そう思って、扉を閉めた。
それでも。
昨日のことがなくなったわけではない。
廊下の向こうから女子の話し声が聞こえると、身体が強張る。
笑い声が聞こえると。
自分のことではないかと考えてしまう。
教室へ入る。
視線を上げないまま、自分の席へ向かった。
椅子を引く。
鞄を置く。
いつもと同じ。
何も起きていない。
それなのに。
胸の奥に、小さな石が入っているみたいだった。
亜美はいつもより少し早く学校に着いた。
まだ人の少ない廊下を歩く。
足音だけが、静かな校舎に響いていた。
昨日、水浸しになったロッカーの前で足が止まる。
「…………」
怖い。
ほんの少しだけ、扉を開ける。
何もない。
昨日乾かしてから戻したものが、そのまま入っている。
亜美は小さく息を吐いた。
大丈夫。
今日は大丈夫。
そう思って、扉を閉めた。
それでも。
昨日のことがなくなったわけではない。
廊下の向こうから女子の話し声が聞こえると、身体が強張る。
笑い声が聞こえると。
自分のことではないかと考えてしまう。
教室へ入る。
視線を上げないまま、自分の席へ向かった。
椅子を引く。
鞄を置く。
いつもと同じ。
何も起きていない。
それなのに。
胸の奥に、小さな石が入っているみたいだった。