俺が必ずこの女を殺す
今日の澪奈はティアラにもらった、とかいうピンクのフリルのワンピースを着て、その上から俺のお古の紺色のダッフルコートを羽織っていた。勝手に萌え袖になっちゃうぐらいブカブカなのがまた澪奈の可愛さを1つ際立てていた。

そして白目を向いたヘンテコなクマが舌ベロをペロッ、と出している変なポシェットを首にかけている。

これもティアラが最近どっかのゲーセンで偶然取れた、とかいう代物だ。

かわい子ちゃんにはなんでも恵んであげたくなっちゃう性分なんだと。

***

家を出て、数時間ほど電車に揺られていたら、あっという間に遊園地に到着した。

バイクで行っても良かったのだが、あまり公に行動するのは気が引けた。それこそ理音が何を企んでいるか分からない。

まぁ、クリスマス、なんて日に遊園地に行こうとしてる時点でその心配は破綻している気がしなくもないが…。

「わぁー、デカいねっ!あ!あそこに、らんかんしゃがある!」

まぁでも…、こんなに喜んでくれるなら連れて来て良かったなと思う。

「観覧車な」

そう指摘すると澪奈が自分に言い聞かせるように呟いた。

「か、ん、ら、んしゃ!」

「あはは、そうそう」

「覚えた!」

澪奈に対しての俺の気持ちは日に日に増すばかりで時々する言い間違いですら愛着が湧いて、愛おしいと感じる。

前は‪”‬肝に銘じろ‪”‬って言ったら‪、きもちいに銘じられた‪っけ?
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