佐藤 しおりの幸せ探し〜揺れる恋

そして、それぞれ一口飲んで、自己紹介となった。

「俺は、東雲 零士、28です。芝園銀行で営業してます。今は、しおりちゃんを口説いてる最中です」

場の空気を明るくするためにお茶目に振る舞う東雲に、しおりは大笑いした。

「東雲さん、いつもと違う。面白い、あははは。ちなみに私、彼氏いまーす」

「知ってるてば…つれないしおりちゃん好きだよ」

頬杖をついて、横のしおりを甘く見つめるので、しおりは、ふざけて流すことができないでいた。なので。

「佐藤 しおりです。26歳です。携帯ショップで働いてます」

香織に視線を送るしおり。

「あっ、はい。吉崎 香織、24歳です。つい、この間、彼氏に振られたばかりです。しおりさんが、私の為にこの会を開催してくれました」

また、余計なことをと自爆する香織を見つめるしおりだった。

「次、俺でいい?」

こくりと頷く香織に、隣に座るイケメン2号は、香織に向けて自己紹介をする。

「俺は、加賀 大地 28。東雲とは同期で、主に融資を専門に受けている。東雲が取り引き先を見つけてきて、俺が融資についてお客とやり取りしている。彼女は、いない」

真面目か…と、しおりは東雲と加賀を見比べていた。
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