長嶺さん、大丈夫ですか?

クリスマス・イブはロマンチックに


 クリスマス・イブ、当日。
 時刻は18:00、恋人たちのロマンチックが至る所で始まる時間。
 私は今、都内某所のキレイな夜景が見えるレストランのソファでシャンパンを手にしている。
 その夜景のキレイさに心奪われて、思わずため息交じりにこぼす。


「……綺麗ですね」


 こんなきれいな景色、今まで見たことあっただろうか。


「理子の方が綺麗だよ」

「……」


 そろりと見やると、隣の爽やかなイケメンが微笑んでいる。


「君の瞳に乾杯」


 そう言ってカチンとグラスを合わせてくるので、私は目を細める。


「……それリアルで言う人いるんですね」

「ときめいた?」

「引きました」

「彼氏に引くなよ」

「……」

「あ。彼氏って単語にときめいた?」

「ません」


 あはは、と長嶺さんは嬉しそうに笑って、私の頭にコツンと自分の頭を寄せる。


「彼氏とクリスマスデート、嬉しい?」

「……普通です」

「そっか。普通か。俺は嬉しいよ」

「……そうですか」


 よしよし、と子供扱いで頭を撫でてくる長嶺さんに、私はシャンパンを口に含んでごまかす。

 こんな風にイケメン彼氏に溺愛されて嬉しくない女がどこにいると言うのだろう。

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