長嶺さん、大丈夫ですか?

俺のせい。

 3月中旬。

 俺は、福岡支店に移動が決まった。


「本当にお世話になりました! 明太子持ってまた遊びにきます!」


 以来、このセリフを100回ぐらい言ってる気がする。


「っ……」

「……社長?」


 それは色々と濃い付き合いをしてきたシトミズカンパニー株式会社でも同じだったわけだけど。


「……泣いてます?」

「っ、泣いてねぇよバカ野郎……!」

「いや、泣いてるじゃないですか」


 まさか社長が泣きだすとは。


「ちょっと、勘弁してください……つられるじゃないですか」


 まんまとつられてジーンときてしまう俺に、社長がまた男らしい涙を流す。


「本当に、色々あったが……福岡に行っても頑張れよ。 東京に帰る時は、絶対、顔出すんだぞ」

「はい……!」


 社長と硬い握手を交わして、シトミズカンパニーをあとにする。

 ほんといい社長さんだった。あのまま契約破談にならなくて、ほんとによかったな。


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