長嶺さん、大丈夫ですか?

長嶺さんのおうち

「…………ここどこ?」
 

 私は、見たことのない部屋にいた。
 窓はない。 家具も家電もない。
 あるのは私が今座ってるこのベッドだけ。
 そういえばドアもない。
 ん? どうやって出るの?
 もしかして閉じ込められた!?

 
「花樫さん」

「! 長嶺さん!」
 

 いつの間にかひと一人分ほどあけて隣に長嶺さんが座っていた。
 いつも通りのごきげんな微笑を携えたスーツ姿の上司に、ホッと胸を撫で下ろす。
 

「よかった、長嶺さん! ここどこなんー……」

「おいで」

「……え?」


 長嶺さんが、私に手を差し出した。
 

「こっちおいで。 花樫さん」


 わかりやすく胸が高鳴った。
 
 長嶺さんはフ、と優しく笑って私の手を取る。


「っ、え……? あの……」


 困惑する私はお構いなしで、長嶺さんは優しく私を自分の隣に引き寄せる。
 ギシリ、ベッドが軋む。


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