【完全版】俺様幼馴染の溺愛包囲網
「第一、今日こんなに暑いのになんで髪下ろしてるの? さっき、チラッと見えたよ、キスマーク」

 うわ! するどい!
 そうなんだよねー。亮平、絶対どこかにキスマーク付けちゃうの。やめてって言ってるのに。盛り過ぎなんだよー。

「見えても言わないのがマナーですよ」

 とちょっと聖くんを睨んでみる。
 
「だって、付き合ってないなんて言うから」
「確かにそう言う関係だけど……。でもそれだけなの。それに、亮平の潔癖症知ってるでしょう? 私しか無理だから……まあ、いわゆるセフレ、ってやつね」
「セ、セフレ……⁉︎」

 なんだか驚きすぎて息してないように見えるけど……大丈夫?
 あ、敬虔なカトリック信者さんにはまずいワードだった⁇

「失礼します!」

 ガラッと引き戸が開いて、三隅先生が入ってきた。

「あ、坂上先生もいたんですね! 出欠確認してたんです、今週金曜日の納涼ビアガーデン。お2人とも出席にしてましたよね? その後カラオケも取ってるんですよ。二次会、どうします? 若手は全員参加して欲しいところなんですけど」

 三隅先生は今回の納涼ビアガーデンの幹事。
 今年2年目で、卒業生ではない。5年生の副担任で体育科の先生だ。
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