【完全版】俺様幼馴染の溺愛包囲網
「結衣子、通常運転だね。安心したよ。幸せそうで良かった。雅にも報告してやって。心配していたから」
「うん! メッセージで少しだけ話したけど、週末にちょっとだけ雅ちゃんを借りるね」
「ああ。そうしてやってくれ」

 緩い空気がビアガーデンを包んでいる。
 この日は無礼講。上下関係なくみんなが盛り上がる。半分くらいは同窓会総会って感じかな。

 私の右隣には前任の前川先生。もちろん私がお誘いした。

 左隣には、4月に育休明けした山口先生だ。
 山口先生は、2人目のお子さんを出産した後、新年度に合わせて復帰された。

 出産後もしっかりお仕事されていて、うちに帰ればお母さん。今日は旦那様が子供達をみてくれているらしい。
 いいな、すごく憧れる。私もいつかそうなれるかな。亮平の赤ちゃんか……。

「ねえ、結衣子先生、いつの間に結婚したの?」

 山口先生が話しかけてくる。

「あら、ホント。結衣ちゃんいつの間に」

 前川先生も指輪に気付いたようだ。

「してませんよ。これは……その……ペアリングです」
「えぇ! このレベルのペアリングなんて、彼氏頑張ったのねぇ! このままマリッジリングに出来ちゃうわよ。……ま、相手が代わらなければね」
「……ないですよ。代わらないです」

 なんてことを言うんだ。思わず苦笑いしてしまう。
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