御曹司の俺には興味が無いだと?〜もう1人の俺を愛する秘書補佐
【いつまでも変わらぬ愛を~空斗】
そして、更に5年の月日が経ち・・・
社長となった俺の秘書室には、北郷さんと華が仕事をしている。

「北郷さん、この書類のチェックお願いできますか?」
「それでしたら、空斗様に直接お渡していただけますか?もう私が見なくても、完璧だと思いますから」

俺は、陸斗と海斗(かいと)の父となり、今週から華は、昼間だけ北郷さんの補佐として、一緒に働いている。
「華様。私は会議に出ますので、この書類の続きをお願いしていいですか?」
「はい、では戻られるまでに仕上げます」
「さすが華様。助かりますよ」

華は、子育てをしながら勉強を怠らず、今は北郷さんの右腕となった。
秘書室に入ると、昔と同じ、眼鏡を掛けて、髪を束ね、パソコンに向かっている。

「眼鏡って、視力が悪いわけじゃなかったんだな」
「これ1つあるだけで、人との壁を作れていたので・・・」
「俺とは夫婦だし、もう、そんなことしなくていいのに」
「・・・これで気持ちを切り替えてるんです。こうでもしないと、空斗さんとの距離が保てませんから・・・」
顔を赤らめて、パソコンを見ている華・・・
ほんと、いつまで経っても俺をドキドキさせる・・・
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