御曹司の俺には興味が無いだと?〜もう1人の俺を愛する秘書補佐
「流石だな・・・見た目、食材、味。文句なしだな」
「はい、本当に素晴らしい!」
北郷さんと堪能していると、ゆっくりと料理を口に運ぶ赤斐さんは、無表情だった。

後から北郷さんに感想を聞いてもらったら、
「美味しいですが、食べ慣れないフランス料理の凄く美味しい、という基準がわかりません」
と、淡々と話してたらしい。
ま、まぁ、食事は仕方ない。好みもあるしな。

赤斐さんに用意したVIPの部屋は、まるで王室を思い描くような広々とした部屋。
1つ1つの家具にこだわり、相当の価値がある。
お姫様になったような気分になるだろう。
どうだ!

「北郷さん。赤斐さん、VIPの部屋は喜んでましたか?」
「それが・・・申し上げにくいのですが、落ち着かないから、普通の部屋に変更して欲しいと申し出がありまして・・・」

・・・あり得るのか、そんなことが・・・
普通、喜ぶだろ。お金を積んでも泊まれない部屋なんだぞ。
全く・・・価値の分からない女なんて、初めてだ。

明くる日の国際フォーラムでは、ゲストとして呼ばれ舞台に立ち、終わった後、客人達と歓談していた。
すると、部屋で泣きながら誰かを捜している、金髪の少女がいた。
俺が近づこうとした時、迷子の外国人の少女に、赤斐さんが話しかけていた。
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