camelに溺れる



「俺に会えなくて、寂しかったの?」





きっと琉さんは、冗談でそう言ったんだと思う。


でも私は本気だから。




「うん…。寂しかった。会いたかった」

「え?さっきまで居たじゃん」

「…寂しかった」





私の言葉が冗談ではないと分かってくれたようで、抱きついた私の背中に手が回った。



琉さんに包まれると、温かくてごつい体が心地良い。

そして何より、キャメルボックスの匂いに私も包まれるのが、琉さんの近くにいると感じられて嬉しい。


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