義兄と結婚生活を始めます
14話
しばらく車が走ったあと、到着した場所は、これまた品格のある日本料理店らしい店だった。
外観は短い竹藪をモチーフとしており、砂利道の中に、大きな石畳がある。
初めて見るあおいは少しの驚きと外観を楽しむ余裕があった。
助手席から降りた和真は、すぐに後部座席のドアを開けてあおいへ手を差し伸べる。
「足元、気をつけてください」
「は、はい…」
気恥ずかしそうにその手を取ると、ゆっくりと足を地面につけて、車から降りた。
続いて母親も降りると、ドアが締められ、運転手に何かを伝えてから和真は戻ってきた。
「みなさんすでに中で待っているそうなので、行きましょうか」
言い終えるとすぐにすたすたと先を歩き始める和真。
あおいと母親も後に続くが、こそっと母親が不安をこぼした。
「もっとしっかりとした、念入りの着物にすればよかったわ…」
「でも、こんなことになるなんて聞いてなかったし…私ももっと髪型とかちゃんとしてたらよかったよ…」
二人でひそひそと不安をこぼし合っている間に、入り口に到着した。
そこには、先に着いていたあおいの父親だけが待っていた。
「社長は…」
「先に中に行かれましたよ。和真さんと来るようにと…」
「……わかりました。それでは行きましょう」
玄関口にやってきていた店の従業員が和真が持っていた荷物を預かる。
そして、一同は従業員の後についていった。
向かった先で足を止めたのは大きな障子の前。
あおいはゴクリと固唾をのみ込むと、深呼吸する暇もなく障子が開かれた。
和真や母の背中の隙間からは、社長を含めた総勢十人ほどの人数がすでに着席している。
向かい合うように、あおいたち海崎家と和真の四人と、おそらくすみれの分であろう五人分の席が空いていた。
「和真、海崎くん、早く座ってもらえるか」
「あ、は、はい…!」
スタスタと社長の隣に座る和真。
一つ席を空けて海崎家が座るのを見て、さっそく着席していた女性の一人がじろりと見た。
「お久しぶりね和真さん。でも…どうしたのかしらね、ご結婚されたと聞いたけど、奥様はいらっしゃらないの?」
「席が空いているということは、うまくいっていないのかな?新婚早々だろうに」
女性の隣に座る中年男性が嘲笑うと、グラスを持って、中の飲みの物を口に含んだ。
特に反論もしない和真は、無表情のままどこかを見ていた。
「相も変わらず、粗を探すのだけはうまいな。任せていた事業がマイナスになっていると報告を受けたが…わが社の派閥としてためになる粗は探せんのか?」
「…っ…そ、それは…!」
「まぁいい。今日はこんなくだらん話は後日にして、明望学園に入学したあおいさんの入学祝いと、顔合わせを兼ねた席だ。明るい話をしよう」
冷たくあしらった社長は、フッと笑うと飲みの物を手に取り上に掲げてあおいを見る。
外観は短い竹藪をモチーフとしており、砂利道の中に、大きな石畳がある。
初めて見るあおいは少しの驚きと外観を楽しむ余裕があった。
助手席から降りた和真は、すぐに後部座席のドアを開けてあおいへ手を差し伸べる。
「足元、気をつけてください」
「は、はい…」
気恥ずかしそうにその手を取ると、ゆっくりと足を地面につけて、車から降りた。
続いて母親も降りると、ドアが締められ、運転手に何かを伝えてから和真は戻ってきた。
「みなさんすでに中で待っているそうなので、行きましょうか」
言い終えるとすぐにすたすたと先を歩き始める和真。
あおいと母親も後に続くが、こそっと母親が不安をこぼした。
「もっとしっかりとした、念入りの着物にすればよかったわ…」
「でも、こんなことになるなんて聞いてなかったし…私ももっと髪型とかちゃんとしてたらよかったよ…」
二人でひそひそと不安をこぼし合っている間に、入り口に到着した。
そこには、先に着いていたあおいの父親だけが待っていた。
「社長は…」
「先に中に行かれましたよ。和真さんと来るようにと…」
「……わかりました。それでは行きましょう」
玄関口にやってきていた店の従業員が和真が持っていた荷物を預かる。
そして、一同は従業員の後についていった。
向かった先で足を止めたのは大きな障子の前。
あおいはゴクリと固唾をのみ込むと、深呼吸する暇もなく障子が開かれた。
和真や母の背中の隙間からは、社長を含めた総勢十人ほどの人数がすでに着席している。
向かい合うように、あおいたち海崎家と和真の四人と、おそらくすみれの分であろう五人分の席が空いていた。
「和真、海崎くん、早く座ってもらえるか」
「あ、は、はい…!」
スタスタと社長の隣に座る和真。
一つ席を空けて海崎家が座るのを見て、さっそく着席していた女性の一人がじろりと見た。
「お久しぶりね和真さん。でも…どうしたのかしらね、ご結婚されたと聞いたけど、奥様はいらっしゃらないの?」
「席が空いているということは、うまくいっていないのかな?新婚早々だろうに」
女性の隣に座る中年男性が嘲笑うと、グラスを持って、中の飲みの物を口に含んだ。
特に反論もしない和真は、無表情のままどこかを見ていた。
「相も変わらず、粗を探すのだけはうまいな。任せていた事業がマイナスになっていると報告を受けたが…わが社の派閥としてためになる粗は探せんのか?」
「…っ…そ、それは…!」
「まぁいい。今日はこんなくだらん話は後日にして、明望学園に入学したあおいさんの入学祝いと、顔合わせを兼ねた席だ。明るい話をしよう」
冷たくあしらった社長は、フッと笑うと飲みの物を手に取り上に掲げてあおいを見る。