イケメン御曹司は恋に不慣れ

過去にかっこいいと思った男性にはがっかりさせられることばかりでいい思い出はない。
男運というものがあるならば、私は確実にその運気はかなり低い。

中学生の頃に塾で仲良くなった男の子から受験が終わったら付き合わないかと言われ、勉強を頑張った。合格発表の後、その彼と駅で待ち合わせをしていたところに姉が通りかかり二人で話して待っていたら、遅れてきた彼は姉に一目惚れしたとかで私はあっさりと振られた。
これは高校生の時に私に告白してきた人も同じだった。

確かに私の姉は女性としての魅力に溢れ、そして、誰が見ても美人なのだろう。それは私もそう思う。
でも、姉にあっさりと気持ちが移ってしまうとは私への想いとやらはいったい何だったのか…。

「今度ひまりに告白してきた男の子がいたら、まずは私が見定めてあげる」
と私より怒っていた姉はその後、息巻いて話していた。

私には姉に惹かれる男たちを止めることなどできない。
< 10 / 70 >

この作品をシェア

pagetop