人生は虹色
僕は初めて思った。



この学校に来れて良かったと。



中学の頃、仲良かった友達は別の高校に行き、僕だけ一人になる形で、この学校に来た。



行きたかった学校を受験さしてもらえず、恨みもしたのに、なんでだろう。



もうそんなこと、どうでもよくなっていた。



部員達と一緒に汗を流して、

海斗たちとくだらないことで大笑いして、

いつもの場所でたむろったりして、

部活帰りにラーメンなんか食べに行ったりして、

休みの日には海斗と遊んだりして……



死ぬほど楽しいなって思えた。



大切な仲間や大切な親友ができて、

高校生活も大きく変わり、

気付けばもう2月。



これから先も順風満帆な生活がずっと続くんだと思っていた。



だけど、

不幸の始まりが迫っていたなんて……。



僕はまだこの時、

気づくことさえできなかったんだ。
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