恋は秘密のその先に
第二十一章 プロジェクトの成功
ゆっくりと目を覚ました二人は、枕元の時計を見て思わず笑う。

「もう11時だ」
「ホント。寝すぎましたね」
「真里亜、初夢見た?」
「えーっと、文哉さんの夢を見ました。でも現実なのか夢なのか…」

なにせ、いつ眠りについたのか分からないほど、ずっと二人で抱きしめ合っていたのだから…。

「俺も真里亜の夢を見たよ。一富士、二鷹、三真里亜、だな」
「ええ?私、なすびと一緒?」
「そう。これから真里亜のこと、なすびちゃんって呼ぼうかな」
「ひどーい!」

むーっと真里亜は膨れてみせる。

「あはは!可愛いな、真里亜なすびちゃん」
「もう、文哉さん!」
「ごめんって。ほら、そろそろ起きよう」
「はい。あ、私、少しだけおせち料理作ってきたんです」
「ええ?!そうなの?」
「はい。着替えたら食べましょう」

真里亜はシャワーを浴びて着替えると、副社長室の横の給湯室でお雑煮を温める。

重箱と一緒にソファテーブルに並べ、用意しておいた祝箸も置いた。

「では、改めて。明けましておめでとう、真里亜」
「明けましておめでとうございます、文哉さん」

二人で乾杯すると、真里亜は重箱の蓋を開けた。

「うわー、すごい!これ、全部真里亜が作ったの?」
「はい。でも三段重じゃなくて二段でごめんなさい」
「いや、充分だよ。すごいなー」

二人して「まめまめしく働きます」と言っては黒豆を食べ、「先行き明るくなりますように」と言ってはれんこんを食べる。

「昆布って、何でしたっけ?」
「昆布はね、喜んぶ」

ええー?!と真里亜は眉間にしわを寄せて文哉を見る。

「文哉さん、それ親父ギャグ?」
「違うわ!本当だってば」
「嘘だー!おせち料理にそんなウケ狙いな意味合いなんて…」
「語呂合わせだよ。ほら、食べるぞ。ヨロコンブー!」

あはは!と真里亜はお腹を抱えて笑い出した。

「この栗きんとん、絶品だな!俺、この甘さすごく好きだわ。あ、真里亜!数の子食べて」
「え、数の子?」

ようやく笑いを収めて、真里亜は数の子に手を伸ばす。

パクっと食べると、文哉は、よし、と頷いた。

「これで子だくさんになるぞ、真里亜」

真里亜は一気に顔を赤くした。
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