恋は秘密のその先に
 パーティーの次の日は、ニューヨーク観光を楽しむ。

 現地の観光ツアーに参加し、AMAGIの皆で定番の観光地巡りをした。

 秋のニューヨークは、前回の真冬とはまた雰囲気が違い、美しい景色やあちこちで目にするアートに刺激を受けた。

 夕食を食べてホテルに戻ると、お休みなさいとそれぞれの部屋の前で別れる。

 すると文哉がグッと真里亜の手を引いて、自分の部屋の中に入れた。

「やっと二人きりになれた」

 文哉はドアを閉めると、すぐに真里亜を抱きしめる。

「もう限界だった。このお預け状態」

 お預けって……と真里亜は苦笑いする。

「なんだかワンちゃんのおやつみたい」
「お? 何だよ。俺がこんなにヤキモキしてたのに、随分余裕なんだな」

 そう言うと真里亜の頭を抱き抱えて、容赦なくキスの雨を降らせる。

 真里亜の余裕はあっという間になくなった。

 ふう……、と吐息をもらしてキスから逃れても、また文哉に新たなキスを浴びせられる。

 気がつくと、いつの間にかベッドに押し倒されていた。

「真里亜……。どんなに俺が自分を押し殺してたか知ってる? 色んな男達に、アベ・マリアって言い寄られて、手の甲にキスされて。みんなが真里亜に言い寄ろうとしてた」
「そんなこと……。ただ、アベ・マリアって名前が珍しくて、話のネタになっただけです」
「そんな訳ない。あの男達がお前を見る目がどんなだったか、分かってないな」

 はあ、と辛そうに文哉はため息をつく。

「真里亜が、手の届かないところに行きそうな気がしたんだ。胸が張り裂けそうだった」

 そんな、と真里亜は首を振る。

「私はどこにも行きません。誰のところにも。ずっと文哉さんのそばにいます」
「真里亜……」

 文哉は、想いの限り真里亜の身体に触れてキスをする。
 そして真里亜も、そんな文哉の想いを全身で受け止めた。

 ただひたすら、互いの心と身体を重ねて幸せを感じる。

 ニューヨークの夜景は、去年のクリスマス・イブを思い起こさせる。

 二人はあの時よりも更に互いを愛し合っていることを実感していた。
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