恋は秘密のその先に
 ようやく月曜日になり、真里亜は張り切って出社した。

 (副社長に何と言われても、絶対にキュリアスの仕事は続けてみせる!)

 意気込んで、高層階エレベーターのパネルにIDカードをかざした。

 すると聞き慣れない、ブーという音がして、真里亜はキョトンとする。

 (ん? 何、今の。上手く読み取れなかった?)

 もう一度、今度は確実にタッチしたが、やはり同じように、ブーという音がするだけだった。

 (何? この、だめですよーみたいに小馬鹿にした音は)

 そこまで考えてハッとした。

 (もしや、私のIDカードの権限をブルーゾーンに戻したんじゃ……)

 もしやではなく、そうに違いない。

 真里亜は、沸々と怒りが込み上げてきた。

 (あの鬼軍曹めー! 覚えてらっしゃい!)

 近くにいた人がビクッとするのも構わず、真里亜は怒りに任せてズカズカと低層階エレベーターに乗り込み、3階に上がった。
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