不器用な神野くんの一途な溺愛
「み、見ちゃったんだ、もん……。午後の授業、副委員長と、自販機にいるの……」

「自販機?あぁ、あれか。もしかしてお前、“首”のこと言ってる?」



小野宮が勘違いしてるとしたら、あの時の事しか思いたらねぇ。副委員長が、俺の首についたジュースを拭き取った時だ。

俺と副委員長が近づくっていったら、あの時が最初で最後だろ。



けど、俺の言い方が悪かったのか、小野宮は目を見開いて「やっぱり」という顔をした。

やべ……言い方まちがえたな……。


すると小野宮は、明らかに涙の量が増えたその目で、俺をまっすぐ見た。



「見間違いじゃ、なかったんだ……。副委員長、が……神野くんの、首に……キス、してたの……」

「いや、だから見間違いだっての」

「だって、さっき……っ!」
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