私を救ってくれた吸血鬼


もう、9月かぁ。

月が経つのは早いなー



SHLの時間帯。

「えー、体育祭の時期がやって来ました。2年1組は、今年も競走です。体力をつけとくように!
以上」


「競走?!やだよ」

「走るの苦手ー」


「体育の時間磨きをかけろ〜」


今年も、競走か。

走るのは得意。

今年は、サボろ。


私の名前は、胡桃。楜澤(くるみざわ)胡桃。

走るのが得意だが、隠している。

なぜなら、…


「競走って、いったら…胡桃の方が早いんじゃん?今年も1位取れるかもよw」


「…」(また、始まった)


そう、私が居る組は毎年1位。


「吸血鬼なんじゃないの?」

「あはは!それ、有り得るかも」


この学校には、『吸血鬼がいる』と言う噂がある。


「っ!」


私は、その場から逃げた。

吸血鬼じゃないよ!みんなと同じ人間だよ!
だけど、競走が好きなだけ。


普通に『吸血鬼じゃないよ、ただ走るのとか競走が好きなだけだよw』と、言えたら楽なのに。


私は、教室から逃げ出した。


「はぁ…」

「そこで、何ため息ついてるの?胡桃ちゃん」

「だ、誰!」

「そんなにおどけないでよ。3年2組の蒼真燈(そうま あかり)今、ちょうど暇してたところなんだ」

「(そうま……あかり?)」

ふと、クラスの女子が誰かの話で盛り上がっていたのを思い出した。


『3年2組の蒼真燈って、人!吸血鬼なんだって!美人の血を吸ってるって噂だよ!』

「!」

そうだ!目の前にいるのが、蒼真燈!

厄介な人に絡まれちゃったよ。


「貴方になんか、大事な血をあげる訳にはいかないので、失礼します」

「知ってるんだ。俺の事。広まるの、早いなー」

私は、蒼真先輩を無視してその場から立ち去ろうとした。

「吸血鬼」

「へ?」

「胡桃も、吸血鬼なんだろ?本当は」

「?!そんな、こと!ありません!」

「そんなことあるんだよなー。だって、普通の人間が早いわけないだろ」

「…」

「本当は、自分で気づいてんだろ?吸血鬼だって」

「知りません…」

「ふーん。そうやって面を切るんだ。別にいいよ、お前なんか興味ないから」

「なら!話しかけないでください!」


私は、その場から走り去る。


「て、興味ないわけがないだろ。興味、大有り」




その日の境に、蒼真先輩は必要以上に話しかけるようになった。


それを、良いように思わない女子3人組が悪い計画を立てる。

だがそれが、良い方向に持っていくのをまだ知らない。




「ねぇ、胡桃」

「なに」

「ちょっと、来てくれない?教えて欲しいことがあるから」



体育館裏。

ここで、何をするのか知っている。

「おーぉと、君たちは胡桃ちゃんと同じクラスの子達だよね?何しに来たのかな?」

「せ、蒼真先輩!」

「弱い者いじめは、ダメだよね?俺に用があるなら胡桃ちゃんをいじめないなら血を吸ってあげる」

「はい!絶対に胡桃様をいじめたりしません!」

「いじめるわけがありません!」

「そうですよ!」

「うん、いい子。3人ともこっちにおいで?」



完全に…操られてる。

この隙に逃げようとすると、なぜだが、体が動かない。


「クラスの人と打ち解ける魔法」


「……え?」



私はどうやって教室に戻ったのか覚えていない。


「胡桃、戻ってきた〜練習始めるよ」

この時から、みんなは私を真ん中にしてくれた。


そして、当日。


「-------2年1組、優勝🏆おめでとう」


「うおー!」と、みんなおお喜び。


これも、蒼真先輩のおかげなのかな?

私はみんなの輪の中。

体育祭が、終わりその帰り道。


「ありがとう、吸血鬼先輩」

「俺の事、よんだかな〜?」

「って、いつの間にΣ(゚д゚;)」

「ま、いいじゃないの。さぁ、胡桃の血を吸わせて?」

「いいですよ?その代わり、私も…先輩の血吸わせて下さいよ?」

「え!嬉しいなーもちろんだよ!胡桃、改めておめでとう」

「ありがとう!蒼真先輩。蒼真先輩は、今年はサボらなかったんですね」

「まぁねー」



蒼真先輩も、サボり魔でした。


※この話を内容分かったかな?



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