クールな溺愛執事とナイショの関係
わたしこそわがままでごめんね。
でも、せっかくのチャンスだから譲りたくないの……。
「わかった。……口調もごめん。取り乱した。……なにかあったらおっしゃってくださいね」
男の子っぽい口調から切り替えて、敬語に戻って笑顔を見せた。
浬恩が敬語じゃなくなるときは、本心で話してくれてると思っていい?
ドキドキするようなことをされると、期待しちゃうよ……。
たいしたケガではないのに浬恩がすぐに手当てをしてくれた。
なんとかご飯作りを再開させて、残りの材料の準備ができた。
あと必要なのは、取手付きの大きなナベ。
確か……上の戸棚にあったような?
試しに戸棚を開けてみると、探していた黒い取手付きのナベを見つけた。
あれだ……!