甘の弱な君が好き【完】
渡すまではバレないようにしないと。
たくさん考えて、悩んで選んだリュックだから喜んでもらえると嬉しいなあ…
にしても、本当に大きい敷地だなぁ
いくら港町の田舎に建ってるとはいえ、目の前に広がるのは澄んだ青いプライベートビーチ
みんな各々荷物を持って、別荘に入ろうとした時
「橙真くんー!」
この中にいる誰でもない、甘く可愛いらしい声が鼓膜を震わせた。
「おお、びっくりした。」
そこには北浜さんに抱きつく女の子がいた。
「えへへ」
照れたように笑うその子はとても可愛らしくて、折れてしまいそうなほど細くて白い肌、はっきりとした輪郭、くるりと上がる長いまつ毛、光を集める二重の瞳
女の私でも目が奪われるほど、眩い
「いきなり抱きつくなよ」
「だって超嬉しいんだもんー!会いたかったよ」
嬉しそうに微笑んで、北浜さんの首に腕を絡めている
あまりの衝撃に、全員唖然