墜愛


「…敏感すぎ。他の男にもそうなの?」



「…こんなの…綾人だけだよ。」



「そうなんだ?…高坂(こうさか)先輩にも、こんな反応しないの?」



「今、先輩の名前なんて出さないでよ。」




そう反撃した私の顔を彼の手がそっと包み、

少し、上を向かせられる。




まっすぐ私を見つめる彼の目は、いつも優しい。




でも。




一瞬のうちに重ねられた唇は、


まるで


私を食べるように激しく私を求めてきて。




顔を傾け直しながら、


何度も


何度も


私の唇を求めてくる。




我慢できなくなった私は、彼の首に腕を回し、

彼の厚い胸板に、

ワザと

自分の上半身を密着させた。



私の大きめな胸を押し付ければ、

彼を興奮させるのなんて容易(たやす)い。




案の定、興奮した様子の彼は、唇を僅かに開け、舌で私の唇を軽く舐めてくる。



誘ってきた彼の舌に、私も自分の舌を差し出して、絡ませた。



息継ぎするのも惜しいくらいに、

私達は何度も、激しいキスを繰り返した。



そのまま、後ろにあるベッドに、彼が私の体を押し倒し、

優しく

のしかかってきた。




この圧迫感。



昨日、体を重ね終えた後からずっと、

私はこれを、(ほっ)していたんだ。



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