時と姿を変えた恋

「今、営業部ですか?」

「その通り……だから、昼間も融通付けられる」

 私はそのメールに彼の昔にはない強引さを少し感じた。子供達の日程や自分の予定と会わせ、日にちを決めると連絡した。

「わかった。何とかする。場所はどうする?少し出てこられるか?」

 自宅の近くの繁華街や周辺の一番大きな駅はやめておきたい。となると、少し出るしかない。

「そちらに場所は任せます」

「わかった。じゃあM駅辺りまで出てこられそうか?」

「わかりました」

 そう言って、その日の十一時頃に約束をした。

 ♢♢♢♢♢♢♢♢

「……三枝」

 待ち合わせ場所のとあるビルの上の喫茶店。私は携帯を見つめていたら、目の前に立つスーツ姿の彼。
< 21 / 42 >

この作品をシェア

pagetop